今回は住宅地から日本の社会の一側面を考えてみます。
(東京の住宅地を念頭においていますが、多くの地方都市でも似たような状況が見られます。)
日本の住宅地は単に農道をアスファルトにして土地を切り売りしたものがほとんどです。
家が建て込んで住人が増えてくると、商店ができてきて、今度は学校が必要だ、公民館が必要だ、ということであわてて施設を整備していった、という過程で出来上がった地域がほとんどのように見えます。
ですから宅地化する前の地図を見ると、驚くほど道路の形はそのまま残っているわけです。
農地が切り売りした土地には、その時代ごとにもっとも安価に建てられる方法で思い思いの家が建てられました。
現代に限らず古来都市の発生とはそのようにして発生していったのでしょうから、そのこと自体は自然な成り行きで問題は無いのかもしれません。
要は都市計画というものなしに(もしくはインフラなどの最小限の都市計画で)自然発生的に出来上がった都市である、というのが日本の住宅地の特徴です。