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階段のデザイン

今回は階段のデザインについてです。
階段というものは通常、家の中ではただの通過する部分にすぎないものです。
しかし家をつくる側にとっては、縦方向のシビアな寸法やディテール・強度・つくり方等、考える必要のある要素が非常に多いため、設計も加工も難しく、非常に大きなデザインポイントなのです。

階段のデザインによっては、ただただ登り降りすること自体が楽しくなり、またリビングの眺めを楽しくする要素にもなります。
階段は建築の醍醐味であると言っても過言ではありません。

旅行をしていても、建物の中の階段や、屋外の珍しい階段を撮りたくなる場合が非常に多いです。
建物の内外で景観のポイントとなりやすい場所で、知り合いの中には階段専門のマニアもいるくらいです。
わかりやすいところでは、映画ローマの休日で重要なシーンの舞台ともなった、スペイン階段などが非常に絵になる階段の例です。

階段は、設計者にとってデザインが非常に楽しい部分なのです。

これまでで最も楽しい階段がデザインできたのは、こちらの家です。
らせん階段自体が家になっています。



中心の太い柱沿いに螺旋階段が回り、途中の踊り場がそのままフロアになっています。



段板は、下部では普通の階段状ですが、途中からは中心の柱から壁に掛け渡して浮かべています。
また、途中壁が無いところでは、吊っている部分もあります。



段板が柱に刺さっている部分は、大工さんが非常に苦労しながらも美しく施工してくれました。
木造の螺旋階段は、非常に珍しいものです。



部屋から階段を見ても、階段から部屋を眺めても非常に楽しい眺めが連続します。



階段そのものが、この家の見所となっています。




次の家の階段は、踊り場のある折れ曲がり階段です。



踊り場に出て折れ曲がったところでリビングルームに出るため、降りてきた人は少し高い位置から見下ろしてリビングを眺めることができます。



通常と異なる視点から見るリビングもなかなか楽しいものです。



また、リビングから見ている人にとっては、階段を降りてきた人が何か舞台から登場して降りてくるような感覚があります。



また、家全体がスキップフロアで様々なレベルがあるため、小さな階段がいくつもできています。



屋根裏の小部屋に上る小さな階段。



毎回少しづつデザインは異なりますが、手すりや段板、けこみのディーテルも重要なポイントです。




次の家の階段は、普通の直階段なのですが、登り切った部分が左右に分かれています。



機能上どうしても必要で出てきた階段の形ですが、最後の一段が左右に分かれていることで、左右の空間への方向性が生まれ、通常と異なる何か少し楽しい雰囲気が生まれています。



通常と少し異なる体験や眺め・デザインとすることが、楽しさにつながるようです。
小さな子供は特に、階段のデザインを楽しんでくれます。




要望や機能・プランニングに合わせ、家ごとに異なる階段のデザインとなります。
住んでいる方は、普通は階段をわざわざ眺めることは無いのかもしれませんが、上り下りの体験を通じて、明るさや眺めの変化を誰もが何となく感じ取ってくれるのではないかと想像しながらデザインしています。



こちらの階段もリビング・ダイニングから見えることで、空間に活気が生まれ、インテリアの一部になっています。



何かドラマが生まれそうに見える階段、また楽しげに見える階段が、理想の階段の姿です。

これからも楽しげな階段を追求してゆきたいと思います。









 

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