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LUNUGANGA その3

さらにLUNUGANGAのつづきで、次は外部とゲストハウスです。
写真は、Bawaが毎日朝食を食べながらのんびり過ごしたお気に入りの席です。

はるかかなたまで続く奥深い景色が雄大です。

 

宿泊したゲストハウスはこちらで、Gatehouse Suiteです。
広大な敷地入口の管理人小屋を転用してゲストハウスとしたようです。




室内はホテルというよりは住宅らしい素朴さで、ベッドカバーや枕上のファブリックパネルまであわせてコーディネートされています。

 



あくまでホテルでなく個人邸のゲストルームのためか、初めて来た海外の場所なのに、自分の家のように落ち着きます。
ずっと泊まっていても良いような雰囲気です。

 


 

窓辺ごとに外を眺めながらのんびりしたり、書き物をしたりするためのためのしつらえがしてあります。


 

ついたての向こうにシャワー室とトイレがあります。

 


翌日はガーデンツアーがあり、敷地全体を隅々まで解説つきで案内してくれます。
広大な敷地内は隅々までデザインされ、チリ一つ無い状態に維持管理されています。

 



広大な庭園内には、彫像やベンチ等のほか、バワ自身のためのパビリオンや、アートスペース・ゲストハウスが点在します。



 

下の写真は、バワが過ごしたパビリオンです。
古い納屋を改築し、国内外で見つけてきたアートやアンティーク家具や古い材料を持ち込んで作られた空間。

 



生前にBawaが通ったという街中のアンティークショップも訪れてみましたが、品揃えは民族的なアイテムから西洋のアンティーク、また仏像や宗教的なドローイング等、様々な国や宗教・時代の文物に及び、古くから交易都市として栄え、西洋列強の植民地とされたスリランカの歴史からか、あまりにも多様で雑多な品揃えでした。

 


ルヌガンガにおいても、国籍・宗教を問わずBawaによって選び抜かれた多国籍な古物が雑多に集められているのですが、不思議と全体としては違和感無く調和しています。
 



厳選されたアートや家具と、手入れの行き届いた庭園、すばらしい湖の眺めにより、まさに個人的な理想郷を築き、親しい人を招きつつ豊かな生涯を過ごしたようです。




外部に戻り、大きなバンブーと、バタフライ型にデザインされた睡蓮の咲き乱れる池を見下ろします。
大きなバンブーは日本のモウソウチクなどとそっくりですが、一塊に集まって生え、日本のタケのようには広がらないようです。
こちらでもやはりタケノコも食べるそうで、親しみが湧きます。

 



庭園内には、バワが朝ごはんを食べる場所、午後を過ごす場所、夕日を眺める場所等が決まっていて、それぞれお気に入りの場所にテーブルとイスがセットされており、必ず使用人を呼ぶための鐘が設置してあります。

老人になったバワは電動カートで自分でつくった庭を動き回り、お気に入りの場所から使用人を呼んでお茶や食事を持って来させて楽しんでいたようです。
やりたい放題の老人ですね・・・。

 



高台から水辺に下りていく階段を下ります。
何気ない階段も、ローマ遺跡のようにデザインされています。

 



水辺に近づくと市松模様に舗装された船着場があるのですが、湖岸には野生のワニがなぜか口を開けています。
全く動かないため、銅像にも見えます・・・。

 



小さく見えますが、長さが2m近くはあるため、かなり恐いです。人は食べないそうですが・・・。
ゆっくりと近づいてみると・・・、意外と俊敏に水の中に消えてしまいました。

 



バワの庭はおそろしく広大で、敷地内には水田もあり、公共の道路も入り込んでいます。
道路は谷間を通して全く目に触れないようになっている他、敷地内からは湖の景色や芝生・水田の美しいグリーン以外、一切目に入らないように計画されています。

 



こちらは北側の斜面を利用してつくられた、アートスペース。
斜面に沿ったおもしろいつくりの建物なので、てっきりバワが独自にデザインしたのかと思いきや、こちらも納屋を転用したとのこと。

 



室内も階段状です。ゲストルームにアートスペースが付随している、贅沢な空間。

 


 


元はアーティストの友人が泊まる部屋だったようです。
 



こちらの階段も、ローマ遺跡のようなデザインです。
庭園の構造物は主にイタリア式庭園からインスピレーションを得ているようです。

 



下は庭園のはずれにある、景色を眺めるためのパヴィリオン。




緑に覆われて既に遺跡のようになっています。

 


 


バワ建築やスリランカの建築物で印象的なのは、アウトドアの部屋です。
スリランカでは常夏の気候のためかアウトドアリビングが非常にポピュラーなようで、室内のリビングのような設えでソファーなどもある半屋外空間のような居心地の良い場所が、個人住宅にもリゾートホテルにも充実しているのです。
日本では虫が来るとか、汚れるとか冬寒いなどの理由でなかなか実現できない空間ですが、スリランカ建築の一番気持ちの良い場所は、間違いなくこの"アウトドア・リビングルーム"です。

 



敷地内を全部見て回るだけでも半日を要するほどの広大さでした・・・。見所がありすぎて、紹介しれないほどです。

 


LUNUGANGAは、何か一貫した建築的なポリシーやコンセプトに基づいて、統一的に建設された施設ではありません。
これまでに世界各地で築かれてきた建築家の自邸とは全く異なり、建築"作品"と言えるようなものでもありません。
一人の個人の趣味や気分に基づき、数十年の時間をかけて徐々に形成された"場所"。
古い民家と、アートとアンティーク、周囲の緑、野生の動物、湖の景観、それに地元の食材を用いたおいしい食事が渾然一体となって取り囲み、五感を延々と楽しませてくれる、ひたすら気持ちが良い場所なのです。
多くの場合、ミニマムで厳しくつらい環境のことが多い"現代建築"では体験したことの無い、強力な空間の気持ち良さで、ただただいつまでもここで過ごし続けたくなってしまいます。
まるでアーユルヴェーダ(オイルマッサージ)を何時間も延々とつづけているような、空間の気持ち良さです。

 


日本でも、このような個人の楽しみのために贅を尽くして築かれた最高峰のヴィラとしては、桂離宮や修学院離宮が挙げられますが、LUNUGANGAはそのような世界的な歴史的遺構に匹敵する最高峰の空間に個人が宿泊できるという、あまりにも贅沢な場所です。

高級なリゾートホテルというよりは、世界最高峰のヴィラの一つに宿泊できるのです。
どんなにお金を出しても得ることのできない、贅沢な空間がここにあります。

絶対に、また来ます。


LUNUGANGA  GEOFREY BAWA TRUST
http://www.geoffreybawa.com/lunuganga-country-estate/introductionpa

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