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LUNUGANGA - BAWAの理想郷

LUNUGANGA(ルヌガンガ)は、スリランカを代表する建築家Jeoffrey Bawaが大河のほとりの農家を買い取り、40年以上に渡り手を加え続けて築き上げた理想郷です。
既存の民家や納屋に改築を重ねることで、自身の理想の住空間を追求しつづけた実験室のような空間。
Bawaの死後、自らの事務所の管理の元で宿泊施設として運営しているため、1日1〜2組程度が宿泊できるようになっています。
ここには世界中の建築家が訪れているそうで、日本からも安藤忠雄氏や坂茂氏が訪れたとのことです。
噂に違わぬ、すばらしい空間でした・・・。


車で街中から離れること数十分。
民家もまばらなジャングルの中を抜け、こんなところに人が住んでいるのかと心配になった頃、それらしき門が現れます。
ほっとしたのもつかの間、閉ざされた門扉の傍らの呼び鈴を鳴らし、待つこと十数分。
周囲は電気や水道がしっかり通じているのかもあやしいくらいの奥深さのジャングルで、頭上では野生のサルらしきものがガサガサと動き回り、ものすごい数の鳥や何の動物だかわからない鳴き声が飛び交っています。
果たして本当にホテルとして機能しているのか、人が住んでいるかもわからないくらいです。
何かディズニーランドのジャングルクルーズやジュラシックパークの入り口のような密林感・・・。



今度は本当に人がいるのか心配になってきたところ、管理人が出迎えに来てくれたのですが、ここから先は宿泊者以外は入れないとのこと。
現れた色黒の管理人は言葉もあまり通じないため、少し恐くなってきます。
それでも、ここを見るためにはるばるスリランカまでやってきたので、おそるおそる足を踏み入れます。



庭を通り抜け、建物に近づくと・・・あまりにも何気ない住宅のエントランスが現れます。

 





ドアをくぐると・・・初めてただごとでないオーラが感じられます。



入り口を奥に進むと、水色の天井の細い通路と石像が出迎え、特別な空間への転換をほのめかします。



メインリビングルームに入ります。
何気ない住空間のようですが、スケールが巨大です。
天井高は3.5メートルほどあるでしょうか。家具も日本で見るようなサイズとは異なり、人間が小さく見えます。



薄暗い空間の中にイオニア式の円柱とアンティーク家具が、100年はこのままだったかのようなたたずまいで配置されていて、印象的です。
写真に取るとなんでもない部屋にも見えますが、何か時間の重みをひしひしと感じる空間です。



金色に輝く望遠鏡や石の球、壁面のアートがアクセントとなり、壁面ごとに見所をつくっています。
さらに奥には薄暗い室内とコントラストの大きい、緑に包まれた明るい屋外リビングが見えます。




建物自体は古い民家を改築したもので、それほど変わったものではないのですが、家具やアートで特別な空気をかもし出しています。



奥に進むと、緑に包まれた室内のような屋外リビングが現れます。
この場所が、LUNUGANGA全体で最も居心地の良い場所で、BAWA建築・スリランカ建築最大の特質が現れた空間でもあります。
大きなガラス窓で囲まれ、家具やソファが配置されている様は室内に見えますが、下の写真右手は完全に吹きさらしで、空気は完全に屋外です。
この完全に室内の家具をしつらえた"屋外リビング・ダイニング"が、あまりにも気持ちが良いのです。



このような空間はスリランカの民家には良くある形式らしいのですが、世界的に見ると非常に珍しい空間となっています。
BAWA建築は、この"屋外リビング"という空間を様々な形でホテルや公共施設に組み込み、居心地の良い上に独特な空間をつくり上げています。



下の写真は屋外リビング・ダイニングのさらに外側の、庇のかかった広い空間です。
このような空間は、日本や世界中の各地でも見られる半屋外空間ですが、やはり上の写真のような"ほとんど室内だけど実は屋外"という空間は、非常に珍しいものです。
スリランカ最良の美点の一つです。
しかもここは元々ホテルではなく、BAWA本人の住宅であったため、通常体験できる空間ではありません。私邸に招かれたような特殊な感覚です。



"屋外リビング・ダイニング"から眺める景色も特別なものです。
稲妻のように低く広がる樹形と、白くまだらな樹皮が独特な樹木が、額縁の中の絵画のような印象的なアイキャッチとなり、その向こうには高台から眺める川の水面とジャングルが壮大で、あまりにも美しい眺めとなっています。



この場所をこのような形で眺め、過ごすためだけにLUNUGANGAの全ては作られたといっても過言ではありません。
自然を眺め、体験するための建物です。



さらにこの場所で食べる食事は、これまでに経験したことの無い、あまりにも特別な体験でした。
空間ばかりでなく、料理もすばらしいのです。
食事は基本朝昼晩カレーなのですが、様々な種類のカレーと具のバリエーションが多く、これがなぜかいくら食べてもおいしく、飽きさせません。



パパイヤ・マンゴーなどの採れたて切りたての現地のフルーツもあまりにもおいしく、他のどんなゴージャスなホテルと比べても、この場所で食べるこの食事が、最高のスリランカ文化体験であったと断言できます。
まさにBawaの考えるスリランカの理想郷が、一般に開放されているのです。



LUNUGANGAにはあまりにも見所がたくさんありすぎるので、次回に続きます・・・。

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