次に下の写真は、"シエスタ"チェア。
「ホワイトハウスでも使われている・・・」という売り文句ですが、なるほど、唯一無二の雲の上のような座り心地で、これ以上のリラックスチェアは存在しないのではないかと、本気で考えるほどのものです。
1965年の発表以来40年以上愛されて続けている、ノルウェーの名作椅子です。
アニリン仕上げ(表面を固めない染料仕上げ)の上質なレザーは非常にやわらかく、肌触りもしっとりとして最高の素材感です。
レザークッションの最高のふわふわさに加え、紐でフレームに結び付けられた布張りの下地の「たわみ」、さらに構造の木製フレーム自体の「しなり」が加わって、雲の上に寝そべるような最高の座り心地を実現しています。
これは万人にお勧めしたい、すごい椅子です。
こちらは屋外用ですが、CONRANショップで見つけたスチール製の小ぶりのベンチで、置くだけで庭が楽しげに見えてきます。
実際庭で座ってお茶でも飲むと最高に気持ちが良いです。
下のリラックスチェアは、自宅で使用しているNYチェア。リーズナブルでリラックスできる布張りの折りたたみチェアです。
やはり折りたたみできる椅子は日本の住空間では貴重で、しかもリラックスできる椅子でデザインの良いものと言えば、これしかない!と言い切れます。
使う季節も使わない季節もありますが、非常に重宝しています。
下の写真は、最近事務所の打ち合わせテーブルに導入してみた、Flitz Hansen社の"スーパー円テーブル"。
変わった名前ですが、何がスーパーかと言うと、「正円と正方形の中間の線を完全になぞった形」の天板のテーブルということです。
名前に負けずやはり絶妙な形で、円テーブルのように見えながら、直線に近い部分に座ると方形のテーブル同様に使いやすくなっています。
もう一つの特徴は、4本の細いスチールを束ねて作られた脚で、エレガントな印象をかもし出しています。
見所は天板の形ばかりでなく、エッジのデザインにもあります。
天板はホワイトラミネートで耐久性があるのですが、通常弱点となるエッジに2mmほどもあるステンレスが一周まわしてあり、ものすごい耐久性を持たせてあります。
天板裏面と足の構造も独特です。
四本の細いスチールを束ねた脚は、ばねのように開き、しなって挟み込む力でテーブルの金具を挟んで強力に結合されています。
そのためワンタッチで(かなりの力が必要ですが)はずしたりつないだりできるのですが、非常に安定した構造となっています。
4本のスチールを束ねて作られた1本の脚は、エレガントに見せるための単なるデザインではなく、構造上の特徴も兼ね備えているのです。
天板のエッジも斜めにしてステンレス部分が非常に薄く見えるように仕上げられており、単純なテーブルにもかかわらず、ディテールには様々な工夫が見られます。
このテーブルは新品では見た目や仕上げのわりには高価なため、本当にその値段ほどの価値があるのか疑問に感じていましたが、名作と呼ばれるものには、やはり使ってみないとわからない価値があるものです。
さて、こうして持っているものや住宅に導入していただいたものを振り返ってみると、やはり北欧のデザイン物が好きなようで、意識せずに選んでいるつもりでも、いつのまにか多くなってしまいます。
北欧の家具は、モダンデザインと、かわいげ・あたたかさ・いつまでも使える耐久性・素材感・使いやすさ等をかなり高いレベルで両立しているプロダクトが非常に多く、興味が尽きません。
高価な家具が多いのですが、いずれも数十年に渡って使える耐久性を持ち、家族が世代間で家具を引き継いで使い続ける、ヨーロッパの価値観を強く反映しています。
次は何を使ってみようか・・・まだまだ楽しみです。
我が家の椅子の歴史その1はコチラ
北欧家具ならこちらで体験できます。
ノルディックフォルム
comments
マヨコさん、コメントありがとうございます。遠くから興味を持っていただき、嬉しいです。上海か大連からでしょうか?
中国語に翻訳してweiboの場合は、次の名称、FURUKAWA DESIGN OFFICE、古川亮太郎、http://furukawa-d.comを入れていただければ中国語にしていただいてもかまいません。
よろしくお願いします。
こんにちは。マヨコと申します。
偶然でふらかわさんのブロッグを見て、すごく面白かったです。私は今中国で建設関係の会社につとめており、建筑の話について興味津々です。よかったら、ふらかわさんのブロッグの内容を中国語に翻訳して、中国のツィター(weibo)にアップしてもいいでしょうか?よろしくお願い致します。
オカイさん、コメントありがとうございます。
そのリートフェルトの椅子、僕も学生の時に模型をつくる課題が出て、ちいちゃな模型ですけどつくりました。
接合部が点なので、小さな模型ですらかなり脆弱でした。
実寸でつくるとは、すごい学生ですね。
驚きました。
記事を拝見し、学生のころ訪れた『椅子の美術館(埼玉県立近代美術館)』を思い出しました。
貧乏学生のくせにリートフェルトのレッドアンドブルーが欲しくて(でも当然買えないので)、自力で製作するために採寸しにいったのです。
オリジナルがどうだったか忘れましたが、自作バージョンの座りごこちは、座るたびにメリっと鳴ったりして、スリリングで最高です。