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アムステルダム・ボルネオ島の都市デザイン

アムステルダムは現代都市デザインの先進地です。

中でもボルネオ島・スポーレンブルグ島(BORNEO-SPORENBURG)の都市デザインは、世界でも他では見られない非常に面白い街並みを形成しています。

 

 

 

ボルネオ島・スポーレンブルグ島は、東部湾岸地区のドックランドの90年代に行われた再開発によってできた新市街地です。

全体がオランダのランドスケープデザイン事務所のWEST8、今では世界的に有名になった建築設計事務所のMVRDV等によってデザインされた、

非常に珍しい街並みが形成されているのです。

 

 

写真に見える細長い3本の人口島で、様々なタイプの3階建てのタウンハウスが高密度につくられています。

半島の途中には、タウンハウス群の間に10階程度の中層マンションが差し込まれています。

上空から見ると、低層のタウンハウスが立ち並んでいる部分も様々なスタイルの住戸があることが見て取れます。

 

 

中でも一番面白いのは、一軒一軒全く異なるデザインの住宅が壁を接して立ち並んでいる部分です。

実際にそれぞれ異なる建築家がデザインしているようです。

 

 

壁面の材料も窓の大きさも全く異なるのですが、最高高さと幅が一定なことでランダムな中にも音楽的なリズムのようなものが生まれています。

ちょうど音楽の楽譜のように、一定の間隔の区切りの中に揺れ動く音符のように窓が配置されています。

 

 

こちらではなぜかカーテンをあまり使わないため、住戸の中は運河を挟んで丸見えです。

オランダ・デンマーク・フィンランド等の北欧の国々では特に全くカーテンを使わず、どこの国でも室内が丸見えだった気がします。

日が短いため、少しでも部屋の中を明るくしたいからでしょうか?

 

船着き場付きの住戸も多いのも、運河の街ならではの楽しい部分です。

 

 

道路側から見ると、壁面もそろい窓も少ないため、運河側よりも整然とした印象です。

壁面には様々な材料が使われていますが、最も多いのはレンガのため、旧市街地から来ても違和感なく調和しています。

 

 

しかし日本人から見るとどうも見慣れたようなスケール間と印象の街並みのようにも感じます。

どうも東京都心部あたりの3階建ての一戸建ての並ぶエリアの印象に近いのです。

 

 

半島ごとに異なる街並みとなっていますが、下のエリアはより整然と揃ったタウンハウスとなっていますが、数軒ごとにデザインが移り変わっています。

立面は他のエリアと比べるとおとなしいのですが、内部に立体的な中庭や屋上庭園がデザインされているようです。

 

 

こちらは建物と中庭が交互に挟まれたエリアです。

ランダムに配置された窓がアクティブな動きを感じさせます。

日本の一戸建て住宅地のような、高密度ながらも小さな庭もある、日当たりが良く快適そうな住宅地の雰囲気です。

 

 

下は通常の低層マンションのエリアですが、斜めに大きな緑地が横切って良好な環境を形成しています。

 

3本の半島には、いずれも異なる様々な、街並みがデザインされていますが、いずれも主にはレンガの壁面で素材と高さが揃えられて、街全体としては調和が見られます。

 

 

低層タウンハウスの間を斜めに横切るように、突然大きな集合住宅が現れます。

低層住宅地の中に突然中高層マンションが現れる街並みも、日本では良くみられる状況です。

それぞれのデザインは斬新ですが、街並み全体としては、日本人にとっては見慣れた雰囲気なのです。

 

 

半島同士を結ぶ橋も一つ一つ異なるデザインがされていますが、最も目立つのは恐竜の骨のようなデザインの橋です。

 

 

自由な曲線で作られた橋ですが、赤い色や曲面に沿った階段は、

日本の太鼓橋や中国の伝統的な橋のデザインに影響を受けているようにも見えます。

 

 

実際このような高密度な住宅地開発を行うにあたり、当時のオランダの設計事務所では、アジアの都市、

とりわけ東京などの日本の高密度な街並みがかなり研究されていたそうです。

アジアや日本の街並みに共通する、高密度さ、個々の建物のデザインや素材の自由さ、ランダムさ、無秩序さが、

むしろ活力のある都市デザインとして非常に興味を持たれていたのです。

 

我々アジア人は整然として統一感のあるヨーロッパの美しい街並みにあこがれを持ちますが、

ヨーロッパ人にとってはアジアの無秩序で乱雑な街並みが刺激的なものに見えていたようです。

実際に実現されたボルネオ島・スポーレンブルグ島の街並みからは、

伝統的なヨーロッパの街並みにはない楽しさや活力のようなものが強く感じられます。

 

 

また、ボルネオ島の都市デザインは世界でも他に見たことのないような非常にモダンで斬新な街並みにも見えますが、

旧市街地の街並みと比べてみても実はそれほど異なるものではなく、むしろ伝統を守っているようにも見えてきます。

下は旧市街地の典型的な街並み。

 

 

間口の細いペンシル状の建物、それぞれ異なるデザイン、そろっているようで高さのずれた窓や屋根、様々な色のレンガの壁面。

 

 

また、運河と船、様々なデザインの橋。

旧市街地と新市街地では構成要素はほとんど同じなのですが、モダンなデザインになっただけです。

 

 

旧市街地のほうが街路樹が大きく育って豊かな景観を形成しているのは大きく異なる点です。

 

 

アムステルダムの街並みは、旧市街と新市街のコントラストが非常に刺激的で、いくら歩き回っても飽きることはありません。

 

観光地としては旧市街地が世界的に有名なのですが、新市街地や現代建築巡りもどなたにとってもおすすめです。

アムステルダムを訪れる際は、ぜひ新市街地も散歩してみてください。

 

 

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