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北京798芸術区

今回は北京に2000年ごろに作られた中国最大の現代アートエリア"798芸術区"と、つい最近オープンした"751地区"です。

まずは798芸術区からです。

 

798芸術区は、1950年代に作られた工場跡地の施設を転用した、大小様々な美術館・ギャラリー・アーティストのアトリエや住居、デザインホテル、アートショップ等からなる一大現代アート地区です。

その規模はニューヨークのチェルシー地区を優に超える広さ・密度と多様さを持ち、ファインアートから日常雑貨に至るまで、あらゆるアートに関わるモノ・コトが集積しているのです。

 

しかも工場群をそのままアート施設に転用しているため、現代と歴史、聖と俗、あらゆるものが混ざり合って非常に活力のあるエリアを構成しています。

 

いつも滞在している望京エリアから自転車で行けるほど近いので、時間がある時にはよく行く大好きなスポットです。

 

"798芸術区"だけでも非常におもしろい刺激的なエリアだったのですが、つい最近隣接した"751 D-PARK"エリアもオープンして、さらに広大な芸術エリアとなり、ディズニーランド規模のアートのテーマパークとなりました。

 

798芸術区は住宅地の中の数ブロックを利用した広大なエリアのため、

特に入口等も無く、周囲の住宅地からも景観が変わるわけでは無いため、いつの間にかアートエリアに移り変わります。

 

アートエリアに入っていくと、むしろレンガ造の古い建物が多くなってきます。

 

 

 

 

ただの古いショッピングエリアかな?と思っていると、アートなのか何なのかわからないような不思議なオブジェが増えてきます。

 

 

 

屋外にもそこかしこにアートが配置されていますが、周囲に溶け込んでいます。

 

どこもかしこもあまりにも絵になるため、いたるところで写真撮影が行われています。

 

 

 

建物は国営工場時代のレンガ壁のコンクリート造が多いため、リノベーションした建物は元の建物を生かして改装され、新しく建てられる建物もレンガやコンクリートを用いた様々な現代的なデザインが試みられていて、どれが新しい建物でどれ古いのかわからないくらいですが、汚なかっこいい(?)不思議な統一感があります。

 

 

 

新しい建物も、わざとなのかわからない施工の粗さや、コンクリートやレンガの荒々しいテクスチャで統一されていて、ずっと昔から栄えているアートエリアのような凄みのある雰囲気が漂っています。

 

 

 

極度の清潔好き、完璧好きの日本では決して出せない、荒々しい野性味のような活気が地域全体にあります。

 

 

周辺エリアはレストランやカフェ・雑貨屋さん等が多いのですが、エリアの中心部に近づいてくると大小様々なギャラリーやアートショップが増えてきます。

 

 

798芸術区内では、UCCA(最も大規模なアートセンター)、木木美術館、PACE GALLERYが、798芸術区の中心的な施設です。

その他中規模なギャラリーも10数件、無数の小規模な画廊、アート・デザインショップ、レストラン、カフェ、イベントスペース等も多数あります。

また、アーティストが住み、制作するエリアもあります。

その他、建築・インテリア・グラフィック等のデザイン事務所も多数軒を連ね、一大クリエイティブエリアを形成しています。

 

そもそも付近の国立北京中央美術学院の学生らが自由な創作活動の場を求めてアトリエを構えるようになったのが、798芸術区の始まりだそうです。

 

 

よくメディアに登場する、エリアの中心付近のシンボル的な広場には、半かまぼこ型の屋根が連なる建物内に、ニューヨークに本部のあるPACE GALLERYと、ドイツのデザインセンターがあります。

広場の中心には旅客器の羽根が地面に突き刺り、エリアを象徴するモニュメントとなっています。

 

 

PACE GALLERYでは、かまぼこ屋根の大規模な空間を生かした大規模な展覧会がいつも行われています。

 

 

ドイツのデザインセンター内は、工場跡の建物と最先端のデザインのコントラストが刺激的な空間で、デザインライブラリーや、イベントスペースが運営されています。

 

 

 

昨年の夏にPACE GALLERYで行われた、日本のアート集団、teamLabの展覧会はすさまじい人気でした。

たしかこちらでも3000千円ほどの入場料で、チケットをスマホで予約した上、さらに現地で数時間並ぶほどの手間にも関わらず、驚くべき人気でした。

エリア内には無料のギャラリーも多く、有料の美術館でも数百円の展覧会が多いのに比べ、中国では非常に高額な展覧会と思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

798エリアを代表する大規模な美術館、木木美術館。

この日はアンディ・ウォーホルの展覧会。

 

 

 

 

大規模な展覧会というわけではないのですが、ここも工場を転用した広大なスペースを生かして映像作品や風船の作品を展示していました。

 

 

廃墟のような工場の建物自体に迫力があるため、作品との相乗効果で非常に特殊な体験となっています。

 

 

来場者は20代のカップルが多く、風船の作品が特に大人気でした。

 

 

中国では、生活上のあらゆるシーンでスマホの利用頻度が高く、SNSの普及率や重要性も桁違いです。

そのため、中国でもSNS写真映えするモノ・コトの人気が特に若者の間では非常に高いのです。

 

風船の作品は特に"映える"ようで、写真を撮るために行列ができているほどでした。

 

 

アンディウォーホルのカラフルでインパクトのある作品は中国でも非常に人気があるようで、富裕層の個人宅等でも作品を良く見かけます。

 

 

 

地区内で最も大規模な美術館、UCCA。

何でもない国営工場の外観に、レールと車輪を用いた巨大なオブジェが鎮座します。

これが動いてUCCAの門扉となっているのでしょうか?

 

 

UCCAではいつも最新の現代アートの大規模展覧会が行われています。

この日は主要な中国の現代アート作家の展覧会でした。

 

 

やたらミニマムで格好の良いライブラリー空間。

 

 

ここも国営工場の建物を転用させているため、美術館の内部に巨大な煙突があります。

 


 

 

UCCM、PACE GALLERY、木木美術館という3つの主要な美術館のほかにもたくさんのアートギャラリーがあるのですが、これがまた一つ一つが巨大で、無料で入れるギャラリーも多い上、見ごたえもあり、とても1日ではまわり切れないほどです。

とても紹介しきれません。

エリア内では無限にアート作品が見られ、アートの巨大なテーマパークと言えるほどの規模となっています。

 

アーティストの講演会や参加型のアートイベント等も常にさかんに行われていて、来るたびに新しい発見があり、飽きさせません。

そのため、暇ができるたびにぶらりと798地区に散歩に行くというのが習慣になってしまいました。

 

 

それにしてもエリア内には20代の若者が多く、ほとんどがカップルです。

どうやらおしゃれなデートスポットとしてすっかり定着しているようです。

 

反対に40代以上の人はほとんどおらず、年代による趣味の違いが際立っています。

中国の友人に聞いたところでは、以前は一般の学校美術教育もなく、一般人にとってアートは非常に縁遠いものだったそうですが、近年の中国での現代アート市場の発達と共に、若者が興味を持つようになってきたようです。

 

798芸術区が、日本の渋谷のように若者の集まるスポットとなっているため、これからのアート業界の発展は爆発的なものになりそうな気配です。

 

 

常青画廊 GALLERIA CONTINUAで、いつも工場跡のスペースをぜいたくに使った現代作家の個展を行っています。

 

広大なギャラリースペース。茶色いパネルで床と壁が覆いつくされていますが、これも作品のようです。

 

 

 

中規模なギャラリーも、展覧会も建築空間も見どころが非常に多く、無限に楽しめます。

 

 

 

798芸術区内は、どこも元工場の廃墟を利用した臨時イベントのような雰囲気で、非日常感が非常に楽しく、常に開催しているアートビエンナーレのようです。


 

建築好きとしては工場の廃墟を見られるだけでも興奮するのですが、さらに現代アートが加わることで、非常に刺激的なスポットとなっています。

きれいに整備しなおされた工場跡でなく、廃工場はそのままで部分的に美術館に利用している本物の廃墟の雰囲気がたまりません。

 

 

 

798芸術区では、現代でも次々に大規模なギャラリーやオークション会場、アートショップ等が新たに建設されており、まだまだ発展を続けています。

 

エリア全体でアンダーグラウンドな雰囲気のエネルギーが感じられ、日本や欧米ではなかなか見られない、刺激的な一大クリエイティブエリアを形成しています。

 

 

 

アート好きもそうでない人も非常に楽しめる場所なので、北京を訪れた際は、ぜひ訪れてみてください。

 

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