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ヒルサイドテラス若葉台-4 間取りについて

今回は家の間取りについてです。

それぞれの家のプランは、

1)光と風を最大限取り入れる

2)家をコモン(小広場)に開いて、窓からは緑がたくさん目に入るようにする

3)多目的に使えるスペースを用意する

という3点を特に重視しました。

 

非常に単純な目標ですが、通常の分譲住宅よりも明るく、風通しの良い気持ちの良い家にしよう、ということです。

なるべく設備に頼らずに、夏は涼しく・冬は暖かい、開放的な住まいとすることを目指しました。

家のプランは、一棟一棟それぞれ異なります。

 

 

 

 

通常の分譲住宅に求められる、4LDK・対面キッチン・機能的な家事動線・シューズインクローク・ウォークインクローゼット等の要素も全て満たした上で、通常よりも明るく風通しの良い開放的な家を目指しました。

 

 

上の図面は、モデルエリア4棟の平面です。図面中右側が南、左が北です。

(図面は提案時のもので、完成時とは異なる部分があります)

 

まず住宅設計の基本通り、南側の日当たりの良い位置にリビング・ダイニングを配置し、マルチパーパスルームをコモンに面して配置しました。

リビング・ダイニング・キッチン・マルチパーパスルームは、引き戸で開け放てるひとつながりの部屋として、南から北まで、もしくは東から西までまっすぐに光と風が通り抜けるような配置としました。

 

特に右側の2棟は、リビング・ダイニングからマルチパーパスルームに向けて、南から北までまっすぐに風が通り抜けるプランで、自然通風の効果を最大限に感じられます。

室内から見ると、当然南側と北側の両側に庭とコモンの緑が広がります。

左側の2棟も、南側に大きく開かれ、風は東西に通り抜ける理想的なプランです。

 

 

 

さらに断面計画でも、光と風を最大限取り入れる計画となっています。

断面の種類は、

1)吹き抜けなし

2)吹き抜けあり

3)半吹き抜け

の3種類のプランを用意しました。

 

いずれの断面プランでも、南側には庇を大きく備えて、夏の日射は完全に遮り、冬の直射日光を部屋の隅々まで取り入れるような断面計画としています。

 

日本の住宅は通常天井の高さが2.4m前後と決まっていますが、海外の住宅では特に決まりはなく、様々な天井高の住まいがあり、3m前後は普通で5m近いものも良く見られ、驚かされます。

そのため海外から帰ってくると、日本の普通の住宅の天井は低いな・・・と感じることが多く、何とかできないものかと常々考えています。

天井が高い空間のほうが、当然のことですが、明るく気持ちよい空間である場合が多いのです。

さらに天井を高くすることで、光を大幅に大きく取り入れる窓を用意できて、上下の空気の移動も生まれるため、うまく日射を調整し、通風することで、冬温かく夏涼しい家にできるようにしやすくもなります。

 

海外の広大な高級住宅の天井が高いのは当たり前ですが、日本の普通の住宅でも、プランを工夫することで天井の高い家を実現することは可能です。

そのため、今回は様々なプランの家を用意しました。

 

下の図面は半吹き抜けの場合です。

 

半吹抜けは、注文住宅を設計する場合に良く取り入れているプランで、通常よりも少し天井が高いだけでも非常に明るく、冬場は部屋の隅まで直射日光が差し込み温かい一方で冷暖房効率も悪くないため、バランスの良いプランとなります。

また、2階は1部スキップフロアになるため、少し間取りに変化ができて楽しい空間になります。

 

 

敷地が周囲の雑木林に面する棟の場合、半吹抜けの窓からはたくさんの緑が視界に入ります。

 

 

次に通常の吹抜けの場合です。

吹き抜けの場合も夏の日射を遮り冬の直射日光を取り入れるため、大きめの庇を用意しました。

 

 

吹き抜けの場合は、さらに大きく太陽光を取り込めます。

冬の暖房効率はやや落ちますが、直射日光の差し込む日中は温かく、さらに床暖房で補います。

自然に上昇する温かい空気は、サーキュレーター等で循環させれば、暖房効率を補えます。

夏場は温まった空気は上昇するため、1Fから空気を取り入れ、2Fから排気することで自然に通風が生まれます。

エアコンの冷気は下に溜まるため、吹き抜けがあっても冷房効率にはあまり影響しません。

吹き抜けに面する個室には窓を用意したため、夏場は空けて風を家中に通し、冬場は閉めて暖房効率を高めることもできます。

 

 

下の写真では、個室から吹き抜けに面して開放できる窓があり、さらに吹き抜けの向こうの窓から外部の緑が目に入ります。

吹き抜けを通して全ての部屋に光が届き、風が吹き抜けます。

吹き抜けを持つプランは、家のどこにいても家族の気配が感じられ、家全体の一体感も非常に高まります。

 

 

現代の住宅では、全ての部屋にエアコンが整備されているため、電気の力でいくらでも快適にできるかもしれませんが、やはり冬場の自然光の温かさ、夏場のそよぐ風の気持ちよさにはかないません。

当然電気代の節約にもなります。

エアコンを使わずに済む季節をなるべく長くして、窓を開け放って外の自然を感じながら暮らせる家を用意することで、豊かな暮らしを実現できると考えています。

画一的な住まいでは得られない、住み心地を実現したいと思いました。

 

 

天井が高く明るい家は、住み慣れるとすぐにそれが当たり前のものになり快適さ以外何も感じなくなりますが、他の場所に行くと、むしろ圧迫感や暗さを感じるようになってしまいます。

その住み心地は、住んで体験しないと実感しにくいものですが、慣れるともう手放したくなくなるような居心地の良い空間です。

 

分譲住宅・注文住宅に関わらず、明るく、風通し良く、自然を取り込む開放的な家を作ることが、私の場合、住宅設計者としてまず第一の目標なのです。

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