ARCHITECTURE × LANDSCAPE
フルカワデザインオフィス一級建築士事務所:ブログ
FURUKAWA DESIGN OFFICE : BLOG
昨年から設計を進めていた分譲住宅が完成しました。
"リーフィア
開発コンセプトは、"Your Style"。「あなたらしい暮らしを実現する家」を目指しました。
設計に関わらせていただいたヒルサイドテラス若葉台が、だいぶ完成に近づいてきました。
敷地内の植物も紅葉して秋の風情が強くなっています。
周囲を取り囲む里山の木々の紅葉と一体化して、素晴らしい秋の景観を形成しています。
最後はプランニングやデザイン上のディテールについてです。
これまで住宅地全体のコンセプトや大きなねらいについて書いてきましたが、その他にもまだまだお伝えしたい生活上の細かな工夫がたくさんあるので、可能な限り記しておこうと思います。
ヒルサイドテラス若葉台が位置する稲城市若葉台は、東京都の多摩ニュータウン計画の東端にあたります。
ここ数年この地域のまちづくりに関わり、稲城市から西側は八王子市まで連なる多摩ニュータウン地域の良好なエリアを見ているうちに、"都市計画の力"というものを強く実感するようになりました。
第五弾は、植物についてです。
ヒルサイドテラス若葉台では、"建築と自然の調和"を特に目指しました。
日本の風土にふさわしい植物と建物のデザインを採用し、緑に包まれた住宅地として理想的な環境をイメージしました。
今回は家の間取りについてです。
それぞれの家のプランは、
1)光と風を最大限取り入れる
2)家をコモン(小広場)に開いて、窓からは緑がたくさん目に入るようにする
3)多目的に使えるスペースを用意する
という3点を特に重視しました。
非常に単純な目標ですが、通常の分譲住宅よりも明るく、風通しの良い気持ちの良い家にしよう、ということです。
なるべく設備に頼らずに、夏は涼しく・冬は暖かい、開放的な住まいとすることを目指しました。
家のプランは、一棟一棟それぞれ異なります。
今回は住宅の外観と、それらが集まってできる街並みについてです。
外観の大まかな形は、非常にシンプルな家型をイメージしました。
形はシンプルにして、塗り壁や板張りの自然の素材感を強調し、周囲の雑木林や庭の緑の背景となるような住宅の姿を意図しました。
こちらは提案時の鳥瞰図です。(注:完成時とは異なる部分があります)
ヒルサイドテラス若葉台のまちづくりのテーマの一つは、"多様性"でした。
まちづくりのテーマとしては非常に抽象的なのですが、大まかには多様な世代・多様な家族構成・多様なライフスタイルを持つ様々な種類の人々が集まって暮らす街という意味で、現在の都市開発にとっては非常に大きなテーマなのです。
最近、一昨年から設計を進めていた、"まち"が出来上がってきました。
51棟の一戸建て住宅とセンターハウスで構成される"まち"で、稲城市若葉台で今月モデルルームがオープンする、"ヒルサイドテラス若葉台"です。
住宅全体のイメージと、基本設計を担当させていただきました。
他にも、都市開発コンサルタント・建築家・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナー等、多くのデザイナーが協働して作り上げられました。
大規模なプロジェクトで様々な側面を持つため、何回かに分けてプロジェクトの過程で考えたことを記していきたいと思います。
今回は、入口(玄関)のデザインについてです。
住宅の入口のデザインについては、単純ですがとにかく誰が見ても"入口らしいこと"を重視しています。
初めて来た人でも"入口"と認識できるように。帰って来た人が"自分の家"に帰ってきた、と強く感じられるように。
最も重要なのは、"門をくぐって入っていく"感覚を感じさせることです。
今回は階段のデザインについてです。
階段というものは通常、家の中ではただの通過する部分にすぎないものです。
しかし家をつくる側にとっては、縦方向のシビアな寸法やディテール・強度・つくり方等、考える必要のある要素が非常に多いため、設計も加工も難しく、非常に大きなデザインポイントなのです。
階段のデザインによっては、ただただ登り降りすること自体が楽しくなり、またリビングの眺めを楽しくする要素にもなります。
階段は建築の醍醐味であると言っても過言ではありません。
旅行をしていても、建物の中の階段や、屋外の珍しい階段を撮りたくなる場合が非常に多いです。
建物の内外で景観のポイントとなりやすい場所で、知り合いの中には階段専門のマニアもいるくらいです。
わかりやすいところでは、映画ローマの休日で重要なシーンの舞台ともなった、スペイン階段などが非常に絵になる階段の例です。
階段は、設計者にとってデザインが非常に楽しい部分なのです。
リビングのデザイン3回目は、旅で出会った理想のリビングの姿です。
私にとっての理想のリビングの姿とは、メキシコを旅して実物を体験して以来、メキシコの建築家ルイス・バラガンのデザインしたリビング・ルームのことになってしまいました。
中でも私の理想のリビングの一つは、ルイス・バラガンの代表的な住宅作品のうち、プリエト邸のリビングルームです。
"リビングルームのつくりかた"の続きです。
前回はリビングルームをデザインする際の主要な3つのポイントを取り上げましたが、今回はそれ以外の要素についてです。
椅子・照明・アート・グリーンです。
今回はリビングルームのデザインについてです。
家を設計する際は、リビングルームのイメージや快適さが、その家の特質そのものとなるため、家の中心として当然最重要視しています。
さまざまな家や空間を設計させていただいているうちに、理想とするリビングルームのイメージのようなものが徐々に形成されてきたので、記してみたいと思います。
今回から数回に分けて、自分が設計させていただいている住宅のデザインについて書いてみたいと思います。
まず今回は、キッチンのデザインについてです。
今や住宅の中心はキッチンであると言っても過言ではありません。
家族やお客さんが集まる場所は、キッチンとダイニングテーブルである場合がほとんどです。
この空間のデザインが家の居心地の大部分を決定付けるのです。
機能性やメンテナンス性、居住性、材料、機器等あまりにも多くの要素が集中する場所であるため、そのデザインは住宅の中では最も難しい部分ですが、同時に最もデザインするのが楽しい部分でもあります。
家のプランや作り方によって雰囲気やスタイルは毎回全く異なりますが、キッチンのデザインにおいて大事にしている要素を記してみようと思います。