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セノーテと聖地

 メキシコの旅は、アステカ・マヤ文明の巨大遺跡をはじめとして、カンクンなどの海辺のリゾート・フィエスタ・西洋文化・土着文化・絵画・モダンデザインなど、ありとあらゆる見所が目白押しで、たったひとつの国とは思えないほどのグランドツアーでした。

メキシコの有名な遺跡群については多くの人が記しているでしょうから改めて書くまでもありませんが、印象的だったのはユカタン半島のマヤ文明遺跡エリア周辺に点在する、ジャングルの中に自然の力でつくられた聖地でした。

自然の力がつくり上げる空間のスケールと感動は、人間のつくるどんな建築や土木構造物でもかないません。人間の営為のちっぽけさを感じる瞬間です。

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プリエト・ロペス邸

引き続きルイス・バラガン設計の名作住宅、プリエト・ロペス邸です。

この家は世界遺産には登録されていませんが、個人的には今回訪れることのできたバラガンの住宅の中では一番の傑作ではないかと感じました。
建築作品として見ると、世界遺産となった"バラガン邸"、また晩年の最高傑作とされる"ヒラルディ邸"などの作品のほうが強烈な個性が際立っていて、
いずれも"一人で静かに瞑想する場所"としては最高の場所なのですが、同時にどこか暗く寂しい雰囲気も感じられます。
しかしこのプリエトロペス邸は全体的に"家族の場所"という雰囲気が強く、明るく開放的でのびやかな住宅となっています。
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ルイス・バラガンの家

 さて、ようやくルイス・バラガンです。

ルイス・バラガンはメキシコを代表し、また世界的に高名な20世紀の建築家です。1930〜1970年代にかけて活躍し(と言っても作品は数えるほどしかありませんが)、1980年には建築家としては最高の栄耀、プリッツカー賞も受賞しています。
建築家として最も特異なのは、住宅ばかりを作り続けて世界的な建築家になったこと、また建築とランドスケープの設計を生涯続け、建築家であると同時に造園家・都市計画家でもあったことです。
まずは訪れたいくつかの代表作の中からバラガン邸を取り上げます。
バラガン邸はもちろんルイス・バラガンの自邸と仕事場なのですが、なんとユネスコの世界遺産に登録されています。歴史的建造物や自然遺産など、世界各地に世界遺産は数多くあれど、20世紀につくられた現代建築が世界遺産となった事例はまだ極めて珍しいです。しかも住宅作品では世界でもまだ2,3しか登録されておらず、20世紀の世界的代表作と言える住宅の一つです。
(写真は外部しか撮影が許されていないので、内部の写真は引用です。)
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メキシコの街並みと人々

今回はメキシコで出会った何気ない街並みや人々を紹介します。

メキシコの人々はどうやらほとんどの人がごきげんです。少なくとも表面上は。おそらくは深ーい悩みのある人もいるのでしょうけども、大都市でも田舎でも関わるほとんどの人がにっこりしておそろしくやさしくしてくれます。が、仕事はあまり好きではないようです。
街並みは様々な強烈な色で塗りたくられていながらも独特の調和を持っていますが、人々ののどかさと呼応するように、不思議と力が抜けてゆるく心地よい雰囲気を醸し出しています。

写真はメキシコシティー郊外の公園に面した真っ赤な回廊のカフェでくつろぐ人々。メキシコ庶民の日常の、のどかな光景です。


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フリーダとリベラの家

メキシコ第2弾は、メキシコシティにある画家で夫婦のフリーダ・カーロとディエゴ・リベラの家。

20世紀前半の壁画運動で大作を数多く残したディエゴ・リベラと、その人生とシュールな画風でメキシコで最も有名な画家の一人となった妻フリーダ・カーロ。

奥の青いほうがフリーダ、手前レンガ色のギザギザ屋根がリベラの家で、屋上のブリッジで2つの家はつながれています。
個性的な画家夫婦の家というおもしろさだけではなく、近代建築にしては極めてめずらしいすごくかわいい家なので、とりあげてみたいと思います。


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Hacienda San Jose

10年来の夢、メキシコに行ってきました。
建築界の巨匠ルイス・バラガンの住宅を主に見る目的で行ってきたのですが、毎度のことながら現地にはもっとすごいものが無限にありました。ルイス・バラガンは後回しです。

ユカタン半島の中心都市メリダ郊外の"Hacienda San Jose"アシエンダ・サンホセというホテルに宿泊して数日を過ごしてきたのですが、これがすごい。
楽園のような一つの理想の環境がそこにはありました。

普段建築や造園の設計活動をしていると、何のためにどういうものをつくろうとしているのか見失い、単なるデザインの面白さや流行にとらわれたり、機能性に走りがちです。
けれども、本当に実現すべき最高の住環境のクオリティは、静けさ・あたたかさ・鳥や草木などの自然・水・木や石などの本物の素材、また伝統・文化等、非常に「あたりまえの要素」である、ということが改めて実感させられました。

 
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